今回は、「預金」を取り上げる。FP試験での出題例は少ないものの、出願されれば差がつく項目でもある。概要をしっかりと確認しておこう。
預金
流動性預金
普通預金
普通預金サービスの内容や取扱いは、取引銀行によって異なるが、次のような機能が揃っている。
- 預け入れは1円以上1円単位である。
- 金利は変動金利で、満期がない。
- お金の出し入れが自由である。
- 公共料金や家賃などの自動支払い、給与や年金などの自動受け取りができる。
- 貯蓄預金や定期預金に比べて金利が低く設定されている。
- 元本保証がある。
- 預金保険の対象である。
(参考)一般社団法人全国銀行協会のWebサイト
貯蓄預金
お金の出し入れは自由であるが、自動支払い、自動受け取りといったサービスが利用できない。
多くの場合、普通預金より金利が高くなる預金である。
- 個人での利用に限られている。
- 預け入れは1円以上1円単位だが、銀行が定めた額(基準残高)以上でないと普通預金よりも高い金利にならない。
- 金利は変動金利で、満期はない。
- 利息は、残高1,000円以上の場合に、1円単位ごとにつくことが多い。
- 元本保証がある。
- 預金保険の対象である。
(参考)一般社団法人全国銀行協会のWebサイト
当座預金
手形や小切手の支払いに使われる預金が「当座預金」である。
当座預金は「決済用預金」に該当するため、万一銀行が破綻しても預金保険制度によって、利息がつく預金とは別に全額保護される。
- 企業や個人事業主が業務上の支払いに利用する預金である。
- 預け入れは1円以上1円単位で、満期はない。
- 現金の代わりに、支払われた手形や小切手の決済をするための預金である。
- 公共料金の自動支払いや株式配当金等の自動受け取りといった機能がある。
- 元本保証がある。
- 預金保険の対象である。
- 利息がつかない。
(参考)一般社団法人全国銀行協会のWebサイト
決済用預金
ペイオフ実施後も、預金保険制度により、全額保護されること目的に新設された預金である。
決済用預金とは、①無利息、②要求払い、③決済サービスを提供できること、の3条件を満たし、ペイオフに際して全額保護となる預金種類のことで、従来ある当座預金なども該当する。
定期性預金
スーパー定期
定期預金の代表的商品である。基本的には固定金利であり、各金融機関が自由に金利を設定できる。
期間3年未満については、単利、3年以上では、単利と半年複利(半年複利は個人利用に限る)の選択ができるタイプが多い。
預入金額300万円未満の固定金利定期預金を「スーパー定期」、預入金額300万円以上のものを「スーパー定期300」と呼ばれることが一般的である。
(参考)一般社団法人全国銀行協会のWebサイト
大口定期預金
- 預入期間は1ヵ月から10年までの「定型タイプ」と1ヵ月から10年未満の「期日指定タイプ」がある。
- 一括して預け入れる(中途換金はいつでも可能だが、中途換金利率が適用になる)。
- 預入金額は1000万円以上1円単位である。
- 預入時の利率が満期日まで適用される。
- 預金保険の対象である(1000万円まで)。
(参考)一般社団法人全国銀行協会のWebサイト
期日指定定期預金
固定金利(1年複利)。満期日を自由に設定できる。(最長3年としているところが多い)据置期間(1年)経過後に満期日(引出日)を指定することにより、全額あるいは一部を引き出すことができる。
変動金利定期預金
- 適用金利が6か月ごとなど、一定期間ごとに変更される。
- 預け入れは1円以上1円単位である。
- 元本保証がある。
- 預金保険の対象となっている。
(参考)一般社団法人全国銀行協会のWebサイト
その他の預金
譲渡性預金(CD)
預金者が金融市場で自由に譲渡することができる。預金額は通常5,000万円以上(近年では1,000万円以上のものもある)で、預入期間は5年以内である。
外貨預金
米ドル、ユーロなどの外国通貨建ての預金である。当座預金、普通預金、定期預金、通知預金などがあり、外国通貨の高金利や為替差益を得られる。半面、為替相場の変動による為替リスクもある。
為替リスクを避けるために為替先物予約を付ける方法もある。
なお、預金保険制度の対象外である。
仕組預金
一般の預金より高い金利が期待できる半面、商品内容に応じて、銀行が預入日以降に満期日を選択できる権利を持っていたり、為替相場によって払戻時の通貨が決まったりするなどの特徴がある。
後見制度支援預金
後見制度支援預金とは、本人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を後見制度支援預金口座に預け入れる仕組みのこと。通常の預貯金と異なり、後見制度支援預金口座に係る取引(入出金や口座解約)をする場合には、あらかじめ裁判所が発行する指示書を必要とすることで,後見制度支援信託と同様に、本人財産の保護を簡易・確実に行うことができる。後見制度支援預金口座は,本人が日常的に利用してきた信用組合や信用金庫で開設することができるため,近くに信託銀行等がない方にも利用しやすくなっている。
(参考)裁判所のWebサイト
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