民法を学ぼう!「所有権(6)相隣関係(3)」

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司法・法務

ライフライン設備の設置・使用権

A所有の甲土地は公道に接していないため、B所有の乙土地の地下を利用しなければ上下水道を通すことができない。このとき、Bが承諾しない限り、Aは上下水道を利用することはできないのか。

民法は、土地の所有者が他の土地に設備を設置し、 または他人が所有する設備を使用しなければ、電気・ガス・水道の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができないときは、必要な範囲で、他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用することができるとする (213条の2第1項)。

(継続的給付を受けるための設備の設置権等)
第二百十三条の二 土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付(以下この項及び次条第一項において「継続的給付」という。)を受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる。
2 前項の場合には、設備の設置又は使用の場所及び方法は、他の土地又は他人が所有する設備(次項において「他の土地等」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
3 第一項の規定により他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用する者は、あらかじめ、その目的、場所及び方法を他の土地等の所有者及び他の土地を現に使用している者に通知しなければならない。
4 第一項の規定による権利を有する者は、同項の規定により他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用するために当該他の土地又は当該他人が所有する設備がある土地を使用することができる。この場合においては、第二百九条第一項ただし書及び第二項から第四項までの規定を準用する。
5 第一項の規定により他の土地に設備を設置する者は、その土地の損害(前項において準用する第二百九条第四項に規定する損害を除く。)に対して償金を支払わなければならない。ただし、一年ごとにその償金を支払うことができる。
6 第一項の規定により他人が所有する設備を使用する者は、その設備の使用を開始するために生じた損害に対して償金を支払わなければならない。
7 第一項の規定により他人が所有する設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、その設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない。
(民法・e-GOV法令検索)

設備の設置・使用の場所・方法は、他の土地または他人の所有する設備のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。(同2項)

設備権を行使する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所および方法を他の土地等の所有者、現に使用している者に通知しなければならない (同3項)。

設置により、償金の支払義務が生じる (同5~7項)。

Aは、Bの承諾がなくても、民法213条の2に基づき乙土地の地下に上下水道設備を設置できる。

(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社

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