民法を学ぼう!「所有権(8)相隣関係(5)」

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司法・法務

越境した竹木の枝・ 根の切取り

A所有の甲土地に、B所有の隣地乙に生える木の枝・根が越境してきた。このとき、枝について、AはBに切り取らせることができるものの、原則として、自分では切り取れない(233条1項)。自力救済は禁止されているからである。ただ、これだと、Bが枝の切取りに応じない場合、Aは枝の切除のために訴訟等をしなければならなくなり、負担が重い。そこで、例外的に、①竹木所有者に枝の切除を催告したにもかかわらず、相当期間内に切除されないとき、②竹木所有者を知ることができない、または、その所在を知ることができないとき、③急迫の事情があるときには、A自身が枝を切除できる (同3項)。他方、根についてはAが自分で切り取れる(同条4項)。自力救済禁止の例外である。Bは甲に立ち入らないと根を切り取れず、また、根は枝と比較すると安価な場合が多いからである。

(竹木の枝の切除及び根の切取り)
第二百三十三条 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる
2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
3 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
三 急迫の事情があるとき。
4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
(民法・e-GOV法令検索)

乙土地が竹林で、甲土地にタケノコ(竹の根)が生えてきたら、甲土地の所有者Aはタケノコを採って構わない。他方、 乙土地からリンゴの果実付きの枝が越境してきた場合、Aはただちに枝を切ってリンゴを採ることはできない。リンゴが枝から落下し、Aの甲土地に落ちた場合、争いがある。これを無主物と見ればAは採ることができる。しかし、リンゴはBの物であり、Aが採ることはできないとするのが通説である。

(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社

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