民法を学ぼう!「所有権(15)所有権の取得(7) 添付(付合・混和・加工)(4)」

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司法・法務

混和

固体同士が混ざることを混合、液体同士が混ざることを融和といい、両者を合わせて混和という。混和については、動産の付合に関する規定(243条・244条)が準用される (245条)。

(動産の付合)
第二百四十三条 所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。
第二百四十四条 付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。
(混和)
第二百四十五条 前二条の規定は、所有者を異にする物が混和して識別することができなくなった場合について準用する。
(民法・e-GOV法令検索)

加工

 加工物の帰属

Aの木材からBが家具を作り上げた場合、家具の所有権はAとBのどちらが取得するのか。原則として、材料の所有者Aが取得する(246条1項)。加工者 Bは、Aに対し、償金を請求できる(248条)。

他方、Aの木材価格が3万円、Bが仕立て上げた家具の価格が10万円であるとしよう。このように、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるとき、Bが所有権を取得する (246条1項ただし書)。同様に、Bの提供した材料の価格と工作によって生じた価格の合計価格が、Aの材料の価格を超えるときも、Bが所有権を取得する(同条2項)。これらの場合、AはBに対し、償金を請求できる(248条)。

(加工)
第二百四十六条 他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。
2 前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。

(付合、混和又は加工に伴う償金の請求)
第二百四十八条 第二百四十二条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第七百三条及び第七百四条の規定に従い、その償金を請求することができる。
(民法・e-GOV法令検索)

新たな物

加工となるためには、新たな物が生じたことが必要であると考えられている。Aの生地をBが洋服に仕上げた場合、新たな物が生じているため加工となる。Aの生地をBが切り取っただけでは、新たな物は生じておらず加工とはならない。

これに対して、新たな物が生じたことは不要であり、新たな価値が生み出されていればよいとする見解もある。この見解によれば、Aの生地をBが独創的に切り取り、新たな価値が生じていれば、加工となる。しかし、いずれにせよ、判断は容易ではない。

任意規定

加工が行われる場合には、請負契約などが存在し、物の所有権の帰属が定められていることが多い。 加工物の帰属に関するルールは任意規定であり、合意があれば、それが優先する。たとえば、Aが材料の全部を提供し、Bが物置を作り、物置の価格が材料の価格を著しく超えたとする。このとき、加工の規定によれば、Bが所有権を取得する。しかし、通常、AB間に加工規定を用いる意思はない。

請負の場合、所有権帰属の合意がなければ、材料供給者に所有権が帰属すると考えられているから、Aが所有権を取得すると解される。加工の規定が適用される事例は、材料が誤って用いられた場合、第三者間での帰属が争われる場合などである。

(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社

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