民法を学ぼう!「不動産登記(5)中間省略登記」

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司法・法務

今回のテーマは、「中間省略登記」である。

中間省略登記

登記の実質的要件との関係で、AからB、BからCと所有権が転々譲渡された場合、Bを経由することなくAからCに登記を直接に移転することは認められるか。

この中間省略登記が認められる一つの理由は、登録免許税や司法書士への報酬を節約する点にある。

しかし、物権変動の過程を正確に跡付ける必要性を考えると、中間省略登記は実質的要件を欠き、無効であると解すべきではないか。

この問題について、判例は、これから中間省略登記を行おうとする場面と、すでに中間省略登記がされてしまった場面を、それぞれ区別して扱っている。

中間省略登記請求権

不動産の所有権が、元の所有者から中間者に、次いで中間者から現在の所有者に、順次移転したにもかかわらず、登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において、現在の所有者が元の所有者に対し、元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されない。
(最判平成22.12.16民集第64巻8号2050頁)

実体法上の物権変動の過程を正確に跡付けていない登記である。

中間省略登記の事後評価

これに対して、すでに中間省略登記がなされてしまった後の場面ではどのように処理されるべきか。

具体的には、なされてしまった中間省略登記の抹消を中間者Bは請求できるかという問題である。

この点、判例は、中間者Bの同意があれば中間省略登記を有効とした。
(大判大正5.9.12民録22輯1702頁)

さらに、A、B、Cと不動産所有権が移転し、AからCに直接移転登記された場合、中間者Bの同意を得ない中間省略登記も有効であるとした。Bは客観的に正当な利益を有する場合に限り、中間省略登記の抹消を請求できる。
(最判昭35.4.21民集14巻6号946頁)

このように、判例は、中間省略登記請求権と中間省略登記の事後評価の問題を区別し、前者を厳格に、後者を比較的緩やかに解している。

参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社 

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