【マンション管理士試験】要点まとめノート(第1回)~区分所有法の基本と区分所有者の権利・義務~

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マンション管理士

(注)出題に係る法令等については、令和8年4月1日において施行されている法令等とする。

マンション管理士試験では、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に関する知識が重要である。

区分所有法は、マンションのように一つの建物を複数の人が区分して所有する場合の権利関係や、建物を維持・管理するための基本的なルールを定めている。

本シリーズでは、マンション管理士試験に向けて、重要論点を6回に分けて整理する。

今回(第1回)は、区分所有法の基本的な考え方と、区分所有者の権利・義務を確認しよう。

区分所有法とは

「区分所有法」の正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」である。
マンションでは、各住戸をそれぞれの所有者が所有する一方、廊下や階段、エントランスなどを共同で使用する。
このように、一つの建物の中に個人が所有する部分と、共同で所有・使用する部分が存在するため、通常の一戸建てとは異なるルールが必要となる。

区分所有法は、主に次のような事項を定めている。

  • 専有部分と共用部分の区別
  • 区分所有者の権利と義務
  • 共用部分の管理
  • 管理組合や集会に関するルール
  • 建物の建替えなどに関するルール

試験では、条文の内容だけでなく、具体的な事例に当てはめて判断する力も求められる。

専有部分・共用部分・敷地利用権

マンションの権利関係を理解するためには、まず「専有部分」「共用部分」「敷地利用権」の違いを確認しよう。

専有部分

専有部分とは、区分所有権の目的となる建物の部分である。
一般的なマンションでは、各住戸の室内部分が専有部分に該当する。
ただし、壁や床などの構造によって、どこまでが専有部分で、どこからが共用部分に該当するかは異なる場合がある。
「住戸の中にあるものは、すべて専有部分である」と単純に判断しないことが重要である。

共用部分

共用部分とは、専有部分以外の建物の部分や、区分所有法上の共用部分として扱われる部分である。
代表的な例は次のとおりである。

部分一般的な扱い
廊下・階段共用部分
エントランス共用部分
エレベーター共用部分
屋上共用部分
各住戸の室内専有部分

共用部分は、原則として区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部の区分所有者だけが共用する「一部共用部分」は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
また、規約で別段の定めをすることもできる。
なお、共用部分の持分は、原則として各専有部分の床面積の割合による。
これについても、規約で別段の定めをすることができる。

敷地利用権

敷地利用権とは、専有部分を所有するための、建物の敷地に関する権利である。
敷地利用権には、土地の所有権や借地権などがある。
マンションでは、建物の専有部分だけでなく、その敷地を利用する権利も重要な意味を持つ。専有部分と敷地利用権の関係は、マンションの権利関係を理解するうえで重要な論点である。

3.区分所有者の権利

専有部分・共用部分の保存や改良に関する権利

区分所有者は、自分の専有部分や共用部分を保存・改良するために必要な範囲で、他の区分所有者の専有部分や、自分の所有に属しない共用部分を使用したり、自ら保存したりすることを請求できる(区分所有法6条2項)。ただし、他の区分所有者が損害を受けた場合には、その償金を支払う必要がある。

共用部分を使用する権利

区分所有者は、共用部分をその用法に従って使用することができる。
例えば、廊下は通行するための場所であり、エントランスは建物への出入りに使用する場所である。共用部分は、特定の区分所有者だけが自由に占有・使用できるものではない。

集会に参加する権利

区分所有者は、集会に参加し、区分所有法や規約に基づいて議決権を行使することができる。
集会では、管理や建物の維持に関する重要な事項が決議される。
議決権の割合や決議要件については、別の回で整理しよう。

4.区分所有者の義務

区分所有者には、権利だけでなく、建物の維持・管理や他の区分所有者との共同生活に関する義務もある。

建物の保存に有害な行為をしない義務

区分所有者は、建物の保存に有害な行為や、その他建物の管理・使用に関して区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。(区分所有法6条1項)

例えば、建物の構造に重大な影響を与える行為や、他の区分所有者の生活を著しく妨げる行為などが問題となる。
ただし、具体的な行為が共同の利益に反するかどうかは、行為の内容や状況などを踏まえて判断する必要がある。

共用部分の管理に協力する義務

共用部分は、区分所有者全体の生活や建物の維持に関係する部分である。
そのため、区分所有者は、共用部分の管理に関するルールを守り、必要な費用を負担することになる。管理費や修繕積立金などの負担方法は、管理規約や具体的な取り決めによって定められる。

なお、共用部分の持分割合と、管理費等の負担割合は、必ずしも同じものとして扱えるわけではない。両者を混同しないこと。

専有部分の使用に関するルールを守る義務

専有部分であっても、他の区分所有者の生活や建物全体に影響を及ぼす場合がある。
例えば、騒音や漏水、共用部分に関係する工事などは、他の区分所有者との関係で問題となることがある
専有部分の使用についても、区分所有法や管理規約などに基づくルールを守る必要がある。

建物の管理に協力する責務

区分所有者は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理が適正かつ円滑に行われるよう、相互に協力しなければならない(区分所有法5条の2)。

5.今回の重要ポイント

今回の内容は、次のとおりである。

用語確認する内容
区分所有法一つの建物を複数の人が区分して所有する場合の基本ルールを定める法律
専有部分区分所有権の目的となる建物の部分
共用部分専有部分以外の建物の部分など
共用部分の持分原則として専有部分の床面積の割合による
敷地利用権建物の敷地を利用するための権利
区分所有者の義務建物の保存や共同の利益に反する行為をしないことなど

特に、専有部分と共用部分の区別、共用部分の持分割合、区分所有者の権利・義務は、学習の土台となる重要事項である。

6.理解度チェック

今回の内容を、簡単な問題で確認しよう。

問題1

区分所有法において、専有部分とは、区分所有権の目的となる建物の部分をいう。

答えを確認する

正しい。
専有部分は、区分所有権の目的となる建物の部分である。(区分所有法第2条3項)

問題2

マンションの廊下や階段は、一般的に専有部分に該当する。

答えを確認する

誤り。
廊下や階段は、一般的に共用部分に該当する。

問題3

共用部分の持分は、原則として各専有部分の床面積の割合による。

答えを確認する

正しい。(区分所有法第14条1項)
ただし、規約によって別段の定めをすることができる。

問題4

区分所有者は、専有部分を所有しているため、他の区分所有者の共同の利益に反する行為であっても自由に行うことができる。

答えを確認する

誤り。
区分所有者は、建物の保存に有害な行為や、その他共同の利益に反する行為をしてはならない。

問題5

共用部分の持分割合と、管理費等の負担割合は、常に一致する。

答えを確認する

誤り。
共用部分の持分割合と管理費等の負担割合は、区別して考える必要がある。管理費等の負担方法は、規約によって定められる。

まとめ

第1回では、区分所有法の基本と、区分所有者の権利・義務について整理した。
マンションは、専有部分を個別に所有しながら、共用部分や敷地を共同で利用する建物である。
そのため、区分所有者には専有部分を使用・収益・処分する権利がある一方、建物の保存や共同の利益に配慮する義務もある。
まずは、専有部分・共用部分・敷地利用権の違いを確実に押さえよう。
次回は、「管理組合・管理者・集会の重要ポイント」を取り上げる。

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