民法を学ぼう「無権代理行為の一般的効果②」

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司法・法務

無権代理人の責任

無権代理人は、代理権を持たないにも拘わらず相手方との間で契約を結んでいる。

このため、無権代理人は、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。(民法117条1項)

履行責任
本来、代理権があれば、本人と相手方との間で生じるはずであった法律関係から生じる義務を、無権代理人に履行させる責任である。

損害賠償責任
相手方は、履行利益(契約の有効を前提として契約が履行された場合に債権者が得たであろう利益)の賠償を請求できる。

無権代理人の責任の要件
上記のような無権代理人の責任が生じるためには、代理行為が行われたにも拘わらず、その代理行為を行った者が代理権を持っていなかったことが要件となる。
なお、相手方が、民法115条の取消権を行使していないことが当然の前提となる。

代理行為が行われたというためには、顕名が行われていることが必要である。
顕名がなければ、仮に本人の所有物を売却する契約であったとしても、代理行為を行った者自身が契約者として、債務を負う。(民法では他人物売買も有効である。561条を参照。)

なお、代理行為を行った者が、「自己の代理権を証明」したり、「本人の追認を得た」ことを主張立証した場合、この代理行為は、初めから有効な代理行為として扱われる。

無権代理人が責任を負わない場合

民法では、以上のような要件が満たされても、例外的に無権代理人が責任を負わない場合が定められている。(民法117条2項)

  • 相手方が無権代理人に代理権がないことを知っていたとき(民法117条2項1号)
  • 相手方が無権代理人に代理権がないことを過失によって知らなかったとき(同2号本文)
    ただし、無権代理人が自分に代理権がないことを知っていた場合は免責されない。(同2号ただし書き)
  • 無権代理人が、代理行為を行った当時、行為能力の制限を受けていたとき。(例えば未成年者)(同3号)

参考文献)民法総則「第2版」 原田 昌和 他著 (日本評論社)、C-Book 民法I〈総則〉 改訂新版(東京リーガルマインド)

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