見える喜び

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ティータイム

今でこそ、筆者の視力は日常生活でまったく問題ない。当たり前のことを書いているようだが、これはちょうど一年前にようやく回復した光なのである。

それまで、筆者の視力は白内障のためほとんど失われていた。その頃の視力がどうであったかというと、まるですりガラスの中で生活しているようだった。夕暮れ時はなんとかなったが、特に朝の光が眩しくて外に出るのも億劫になってきた。こうなると学びにもかなりの支障が出てきた。テキストの背景の白色が目の中で乱反射して、文字が読み取れない。拡大鏡を駆使して何とか読み取ろうと頑張ったが効率は悪くて、うまくいかない。パソコンやスマホでも同じこと。白い背景が乱反射してまともに見れない。この時、パソコンやスマホのダークモードが本当に目に優しいことが分かったのだが・・

もはや失明の恐れもあるほど絶望的であった。日常生活でも、いよいよクルマの運転が難しくなってきた。そこで、かかりつけの眼科医のすすめもあって、手術に踏み切った。

手術は日帰り入院で行った。片目ずつ施術するので、2週間かかった。その前に主治医による受診が1度、その後検査のために病院に2度通った。筆者は糖尿病を患っているので、近所の病院での手術ができず、自宅からバスで片道30分の病院まで通わなければならなかった。6月の日差しは強烈で目の中では乱反射してとても辛い通院となった。

自宅での術前の点眼は、手術3日前から1日4回、4時間空けて行う必要があった。手術となるとその準備は想像以上に大変だった。

最初の手術は右眼から行った。手術は午後からなのだが受付けは朝8時半からだった。入院手続きを終えて病室へ移動。初めての手術ということで不安な気持ちのなか、点眼、血圧・体温測定とスケジュールをこなしていった。

15時15分から予定通り手術開始。麻酔を点眼しているので痛みなどはまったくない。右眼を大きく開ける装置をつけて目の前が真っ白のなか、15分ほどで終了。保護メガネを装着して病室へ戻る。保護メガネはこれからしばらく眠る時も含めて一日中装着しておかねばならない。

その後、検査を経て帰宅する。右目だけがすごくよく見える。本当に感動的であった。そして来週には両目に光が戻ってくる。喜びが自然と湧き上がってきた。

翌週、左眼の手術。前回同様、朝に受付。今回は病院の都合でなんと個室が割り当てられた。大きな部屋でとても快適であった。既に手術の段取りもわかっているので落ち着いて過ごせた。

今回の手術は前回より少し早めの予定ではあったが、やはり予定通りにはいかないものだ。なにせ同様の手術を受ける患者が分刻みで手術室にやってくる。結局前回と同じ時刻の開始となった。

手術は無事終了。検査を経て帰宅。本当によく見える。実際には単焦点レンズを使っているので、手元がよく見えるハズであるが、遠くも今までと比べようがないほど見えている。

正直世の中とはこんなに美しいものなのかと感動した。初めて世界の色彩の美しさに触れた感じがした。そして、もう一度与えられたこの光は自分だけでなく世の中のためにも役立てたいと思ったのである。

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