4)小児、高齢者等への配慮
(c)妊婦又は妊娠していると思われる女性
妊婦は、体の変調や不調を起こしやすいため、一般用医薬品を使用することにより、症状の緩和等を図ろうとする場合もあるが、その際には妊婦の状態を通じて胎児に影響を及ぼすことがないよう配慮する必要がある。
胎児は、誕生するまでの間は、母体との間に存在する胎盤を通じて栄養分を受け取っている。胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)がある。母体が医薬品を使用した場合に、血液-胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分の胎児への移 行が防御されるかは、未解明のことも多い。一般用医薬品においても、多くの場合、妊婦が 使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
さらに、ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものや、便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
このような医薬品については、十分注意して適正に使用するか、又は使用そのものを避ける必要があり、その販売等に際しては、購入者等から状況を聞いて、想定される使用者の把握に努めるなど、積極的な情報収集と、それに基づく情報提供がなされることが重要となる。
なお、妊娠の有無やその可能性については、購入者等にとって他人に知られたくない場合もあることから、一般用医薬品の販売等において専門家が情報提供や相談対応を行う際には、十分に配慮することが必要である。
(参考)
・登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)
・ズルい!合格法シリーズ ズルい!合格法 医薬品登録販売者試験対策 鷹の爪団直伝!参考書 Z超 株式会社医学アカデミーYTL(著)薬ゼミ情報教育センター
コメント