基本情報技術者試験のサンプル問題(科目A)を解いてみよう。
今回のテーマは、「命題の真理値」である。
問3
P,Q,R はいずれも命題である。命題P の真理値は真であり,命題 (not P ) or Q及び命題 (not Q ) or R のいずれの真理値も真であることが分かっている。Q,R の真理値はどれか。ここで,X or Y はX とY の論理和,not X はX の否定を表す。

正解:エ
この問題は論理演算(命題論理)に関するものである。
🔶問題の条件
- 命題Pの真理値は 真(True)。
- 命題「not P or Q」および「not Q or R」のいずれの真理値も 真である。
なお、
- 「not」は否定(True→False, False→True)
- 「or」は論理和(どちらかがTrueならTrue)
である。
この条件のもとで、QとRの真理値(真or偽)を選ぶ問題となる。
🔷手順①前提:「Pは真」
よって「not P」は偽(False)
🔷手順②それぞれの命題を確認しよう
1. 命題「not P or Q」
→ 「偽 or Q」になる(Pは真だからnot Pは偽)
→ よって、Qが真であれば全体が真、偽なら全体が偽
2. 命題「not Q or R」
→ これは、QとRの値に依存
→ 「Qが真 → not Qは偽 → Rが真でないと全体が偽」
→ 「Qが偽 → not Qは真 → Rにかかわらず全体が真」
3.条件文に「命題『not P or Q』および『not Q or R』のいずれも真であることがわかっている」とあるので、どちらも真ならOK。
🔷【手順③】選択肢の真偽を1つずつ確認しよう
ア)Q=偽、R=偽
not P or Q:偽 or 偽 = 偽
not Q or R:真 or 偽 = 真
誤り。
イ)Q=偽、R=真
not P or Q:偽 or 偽=偽
not Q or R:真 or 真=真
誤り。
ウ)Q=真、R=偽
not P or Q:偽 or 真=真
not Q or R:偽 or 偽=偽
誤り。
エ)Q=真、R=真
not P or Q:偽 or 真=真
not Q or R:偽 or 真=真
正解。
最も完全に条件を満たすのは エとなる。
✨補足(論理記号の意味まとめ)
記号 | 意味 |
not X | Xの否定 |
X or Y | XまたはY(論理和) |
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