占有保全の訴え
Aの占有する甲土地に、B所有の乙土地に生えている木が倒れてきそうである。このように、占有者が、その占有を妨害されるおそれがあるとき、妨害の危険を生じさせている者に対して、その妨害の予防または損害賠償の担保を請求できる。これを占有保全の訴えという (199条)。
(占有保全の訴え)
第199条 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。
占有保全の訴えは、 妨害の危険が存在する間は、いつでも提起できる (201条2項本文)。 ただし、工事により妨害の危険が生じる場合には、工事に着手した時から1年が経過し、またはその工事が完成したときは、提起できない(同ただし書)。占有保持の訴えの場合と同様、工事による事実的支配により尊重すべき占有状態となるからである。
(占有の訴えの提起期間)
第201条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
2 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
3 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。
(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社


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