WindowsでLinuxを使ってみよう

LinuxはITシステムの必須の知識に

現代のITシステムにかかわる人にとって、今やLinuxは必須の知識となっています。

実際多くのWebアプリケーションがLinuxサーバー上で動作しています。また、スーパーコンピュータやスマートフォン向けのOSとしても、Linuxは広く使われています。

Windowsユーザーなら、後述するWSLを利用することで、Linuxを簡単に体験できます。

これはもちろんWindowsの開発元のMicrosoftがLinuxを重要視していることに他なりません。

なお、先にご紹介した「ChromeOS Flex」もLinuxをベースとしたオペレーティングシステム（OS）です。

紹介記事はこちらから

Googleが提供しているChrome OS（クローム・オーエス）は、Linuxをベースとしたオペレーティングシステム（OS）の1つです。Chrome OSはGUI（グラフィカルユーザインタフェース）という仕様を採用しており、マウスを使って直感的に操作できる仕組みになっています。

OS（オペレーティングシステム）はパソコンを動かす基盤となるシステムです。他にもWindows OSやmacOSが同じくGUIベースのオペレーティングシステムを提供しています。

ドスパラのウエブサイト

WSLでUbuntuを使おう

Ubuntuとは

Ubuntu（ウブントゥ） とは、コミュニティ により開発されているオペレーティングシステムです。ラップトップ、デスクトップ、そしてサーバーに利用することができます。Ubuntuには、家庭・学校・職場で必要とされるワープロやメールソフトから、サーバーソフトウェアやプログラミングツールまで、あらゆるソフトウェアが含まれています。

Ubuntuは現在、そして将来に渡って無償で提供されます。ライセンス料を支払う必要はありません。Ubuntuをダウンロードすれば、友達や家族と、あるいは学校やビジネスに、完全に無料で利用できます。

Ubuntuのウエブサイト

WSL とは

WSL は、Microsoftが公式に提供しているLinux 用 Windows サブシステムです。

Linux 用 Windows サブシステムを使用すると、開発者は、従来の仮想マシンまたはデュアルブート セットアップのオーバーヘッドなしで、ほとんどのコマンド ライン ツール、ユーティリティ、アプリケーションを含む GNU/Linux 環境を変更せずそのまま Windows 上で直接実行できます。

Microsoftのウェブサイト

そして、WSL2とは、

WSL 2 は、Linux 用 Windows サブシステムが Windows 上で ELF64 Linux バイナリを実行できるようにする、Linux 用 Windows サブシステム アーキテクチャの新しいバージョンです。 その主な目標は、ファイル システムのパフォーマンスを向上させることと、システム コールの完全な互換性を追加することです。

この新しいアーキテクチャによって、こうした Linux バイナリと、Windows やお使いのコンピューターのハードウェアとの対話方法は変わりますが、ユーザー エクスペリエンスは WSL 1 (現在幅広く利用されているバージョン) と同じです。

Microsoftのウェブサイト

WSL２のセットアップ

WSL２を実行するには、Windows 10 を実行している必要があります。

• x64 システムの場合: バージョン 1903 以降 (ビルド 18362 以降)。
• ARM64 システムの場合: バージョン 2004 以降 (ビルド 19041 以降)。

または Windows 11 を実行している必要があります。

ちなみに筆者のPC環境は以下の通りです。

本ブログでは、以前に、C言語の学習に必要な環境を説明した際にWSLのインストールについて簡単にご紹介しています。

紹介記事はこちらから

今回は、順を追って解説します。

• スタートメニュー上で右クリックしてメニューを表示させます。
• Windows PowerShell(管理者）をクリックします。

• PowerShellのプロンプトが表示されたら、「wsl –install」と入力し、enterキーを押します。

wsl --install

• インストールが始まります。

• インストール終了したらPCを再起動します。

• 再起動して、ログインすると自動的にターミナルが起動して必要な設定を行います。

• Enter new UNIX username: のプロンプトが表示されます
• ユーザー名とパスワードを入力します。
• WSL上でUbuntuのシェル（Bash)が起動します。

• インストール終了したら、まずはパッケージを最新の状態のアップデートします。
• aptコマンドを使います。
• デフォルトでは本家サーバを参照しています。日本のミラーを使うように変更します。
• スタートメニューから再びUbuntuを起動します。

• /etc/apt/sources.list ファイルを書き換えます。

sudo sed -i -e 's/archive/jp.archive/g' /etc/apt/sources.list

• 変更が終了したら、アップデートします。下記のコマンドを一行ずつ入力します。

sudo apt update

sudo apt upgrade

~$ sudo apt update
[sudo] password for rocky:
Hit:1 http://security.ubuntu.com/ubuntu focal-security InRelease
Get:2 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu focal InRelease [265 kB]
Hit:3 http://ppa.launchpad.net/ondrej/php/ubuntu focal InRelease
Get:4 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu focal-updates InRelease [114 kB]
Get:5 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu focal-backports InRelease [108 kB]
Get:6 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu focal/main amd64 Packages [970 kB]
Get:7 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu focal/main Translation-en [506 kB]
Get:8 http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu focal/main amd64 c-n-f Metadata [29.5 kB]
(略）
Fetched 22.2 MB in 6s (3590 kB/s)
Reading package lists... Done
Building dependency tree
Reading state information... Done
219 packages can be upgraded. Run 'apt list --upgradable' to see them.
rocky@Style-Note:~$

~$ sudo apt upgrade
Reading package lists... Done
Building dependency tree
Reading state information... Done
Calculating upgrade... Done
The following packages were automatically installed and are no longer required:
  libfwupdplugin1 libxmlb1
Use 'sudo apt autoremove' to remove them.
The following NEW packages will be installed:
  libxmlb2
(略）
219 upgraded, 1 newly installed, 0 to remove and 0 not upgraded.
132 standard security updates
Need to get 474 MB of archives.
After this operation, 33.5 MB of additional disk space will be used.
Do you want to continue? [Y/n] Y
（略）

• 日本語ロケールに変更しておきます。

sudo apt install language-pack-ja

sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8

• 一度ターミナルを閉じて開きなおすとロケールは日本語に切り替わっています。

ロケールの確認

locale -a

$ locale -a
C
C.UTF-8
POSIX
en_US.utf8
ja_JP.utf8

プログラミング言語の確認

• python3は最初からインストールされています。

~$ python3
Python 3.8.10 (default, Nov 14 2022, 12:59:47)
[GCC 9.4.0] on linux
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

• gcc(Cコンパイラ）は手動でインストールします。

sudo apt install gcc

• インストールの確認をします。

~$ gcc --version
gcc (Ubuntu 11.3.0-1ubuntu1~22.04) 11.3.0
Copyright (C) 2021 Free Software Foundation, Inc.
This is free software; see the source for copying conditions.  There is NO
warranty; not even for MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.

いかがでしょうか。このあと本格的にプログラミングの勉強をするなら、Visual Studio Codeなどのエディタをインストールすると良いと思います。