民法を学ぼう「代理(代理総説②)」

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司法・法務

前回に続いて、「代理」についてみていこう。

代理の要件

代理が成立するためには、代理権を有する代理人が代理行為を行うことが要件となる。

具体的には、代理が成立するための要件は、①代理人による有効な法律行為、②顕名、③代理権である。

代理人による有効な法律行為
(1)代理行為の瑕疵(101条)
代理行為の瑕疵について、意思表示の効力が意思の不存在(心裡留保、通謀虚偽表示)や瑕疵ある意思表示(錯誤、詐欺、強迫)あるいはある事柄についての善意・悪意(さらに善意の場合の過失の有無)は、代理人について決するものとする。(101条1項、2項)

しかし、この規定には例外がある。
「特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたとき」について、本人は、自らがある事情を知っていた(あるいはある事情を知らないことに過失があったのであれば)その事情について代理人が知らなかった(あるいは知らないことに過失がなかった)ことを主張することができない。(同3項)

(2)代理人の能力(102条)
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
これは、あえて、制限行為能力者を代理人として選ぶのであれば、代理人のした行為の効果を本人に帰属させればよいと考えられる。
もっとも、これは、本人が選任したわけではない法定代理人にはあてはまらない。
そこで、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、取り消すことができるとしている。
例えば、未成年者の法定代理人である親権者が、後見開始の審判を受けて行為能力の制限を受けた場合などがあてはまる。

顕名(99条、100条)

代理人が、「本人のためにすること」(本人の名において行為すること)を示すことを顕名という。そして、その意思表示は本人に対して直接にその効力を生ずる。(99条1項)
代理人が顕名をしないで意思表示をした場合、原則として、「自己のためにしたもの」とみなされる(100条本文)

ただし、顕名が行われなくても、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、行為の効果は本人に帰属する(100条ただし書)

代理権

代理権とは、代理行為の効果を本人に帰属させる権限である。

有効な代理権が存在しないにかかわらず、他人が勝手に代理人と称して行為をした場合(無権代理)、原則として、その効果は本人に帰属しない。

もっとも、例外的に、表見代理の成立が認められれば、その効果は本人に帰属する。

参考文献)民法総則「第2版」 原田 昌和 他著 (日本評論社)、C-Book 民法I〈総則〉 改訂新版(東京リーガルマインド)

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