新しい年度を迎えて、新しいことに挑戦されるなら、「法学検定」はいかがだろう。
法学検定とは
「法学検定試験」は、公益財団法人日弁連法務研究財団と公益社団法人商事法務研究会が共同で組織した法学検定試験委員会が実施している、法学全般に関するわが国唯一の検定試験です。法学検定試験4級・3級を2000年から、2級を翌2001年から実施していましたが、法科大学院が定着したことを受けて、2012年から新制度で実施することとなり、現在はベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コース・アドバンスト〈上級〉コースの3つのコースを実施しています。これらの試験は、法学に関する学力を客観的に評価するわが国唯一の試験として、大学での単位認定、企業の入社・配属時の参考資料等、さまざまな場面で利用されております。
「法学検定試験」案内パンフレット
以後、本稿では、「法学検定」を「法検」と称する。
法検5つのメリット!
- 法学部学生など授業前後の予習復習ツールとして活用できる
- 法学を要求される各種試験前の知識確認に最適である
- 自己の法学の学習到達度を確認する指標にできる
- 就職試験のアピール材料となる
- 法律資格や公務員試験のための土台固めとなる
法検5つの特徴
・法学全般に関するわが国唯一の検定試験
・学習レベルにあった法的知識・能力が身につく(ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コース)
法検ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コースは、各科目の重要論点を網羅的にとりあげている当年度の『法学検定試験問題集』(商事法務刊)から試験問題の6~7割程度が出題される(問題集の問題そのものが出題されるとは限らない)。
したがって、問題集に沿って学習することにより、無理なく各科目全般に関する知識・能力を身につけられ、実際に試験で学習の成果を測ることができる。
・レベル・進路にあわせコースを選択できる
ベーシック〈基礎〉コース(法学の初学者がまずはおさえておくべき基礎的なレベル)
「法学入門」「憲法」「民法」「刑法」といった基本法についての基礎的知識・能力を測る試験なので、日常の学習のまとめや目安として活用できる。
スタンダード〈中級〉コース(法学を学習する者が到達すべきレベル)
「法学一般」「憲法」「民法」「刑法」の必須科目に加えて、将来の進路や学習の度合い等に応じて5科目(民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法、および憲法・民法・刑法をその内容とする基本法総合)から1科目を選択でき、基本的な条文の解釈や重要判例の理解度を測れる。各種資格試験や採用試験の腕試しとして、さらには法律学の知識・能力の到達度測定手段として利用できる。
アドバンスト〈上級〉コース(法学を専門的に学ぶ者が目指すべきレベル)
スタンダード〈中級〉コースと同様の選択科目(基本法総合を除く)のほか、やや発展的な科目(労働法、破産法、経済法、知的財産法)を加えた中からもう1科目の選択を要求している。将来法曹を目指すためのステップとして、また企業や官公署等において法律実務を担当しうるだけの一定水準以上の体系的な法学の実力を証明する試験として利用され、高度なレベルとなっている。
就職・採用試験の場で威力を発揮
大学で何を学んだかを客観的に証明するツールとして、各企業や団体等の就職・採用試験の場で威力を発揮できる。
法学界最高水準の陣容でバックアップ
法学検定試験委員会は、法学の各専門分野においてわが国を代表する研究者によって組織されている。
法検各コース試験について
試験日:2024年11月24日(日)
ベーシック〈基礎〉コース
4科目・合計60問〔法学入門10問/民法20問/その他各15問〕
試験時間:10:00~12:00(120分)
スタンダード〈中級〉コース
5科目・合計75問〔法学一般10問/民法20問/その他各15問〕
必須科目
法学一般 憲法 民法 刑法
選択科目※選択科目は試験当日に選択。
「選択科目A群*1および基本法総合*3」から1科目選択
試験時間:14:00~16:30(150分)
アドバンスト〈上級〉コース
(6科目・合計55問〔法学基礎論10問中5問選択/その他各10問〕
必須科目
法学基礎論 憲法 民法 刑法
選択科目※選択科目は試験当日に選択。
「選択科目A群*1」から1科目、「A群およびB群*2」からもう1科目選択
試験時間:10:00~12:30(150分)
選択科目について
- *1 選択科目A群 ①民事訴訟法 ②刑事訴訟法 ③商法 ④行政法
- *2 選択科目B群 ⑤労働法 ⑥破産法 ⑦経済法 ⑧知的財産法
- *3 基本法総合 憲法・民法・刑法から必須科目とは異なる問題を出題
(参考)公式サイト【2024年受験要項】パンフレット(pdf)
詳しくは、法検の公式サイトなどでご確認ください。
公式問題集
ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コースについては、当年度の「法学検定試験問題集」(商事法務刊)から試験問題の6~7割程度が出題されるので、この一択であろう。
ここでは、ベーシック〈基礎〉コースの問題集をご紹介しておこう。
2024年法学検定試験問題集ベーシック<基礎>コース
本書の特徴は以下の通りである。
【2024年11月実施試験対応】法学の初学者がまずは押さえておくべき基礎的なレベル
基本科目の基本的論点を学習できるように編集されており、各科目の全般にわたる基礎知識を無理なく身につけることができるため、法学学習の学習到達度確認等、受験者以外にとっても利用価値大。法学入門、憲法、民法、刑法の4科目を収録。法学の初学者が知っておくべき基礎的な知識レベル。
商事法務の本書の紹介ページ
「法検」は年1回(11月24日)の受験機会となっている。秋まではまだ時間もある。新年度から法学の学びを始めてみてはいかがだろう。
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