登録販売者試験まとめノート(25)「薬事関係法規・制度(1)」

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薬 登録販売者

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の目的等

本稿では、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」を「医薬品医療機器等法」と称する。(適宜、法と略する

医薬品医療機器等法の目的

  1. 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行う
  2. 指定薬物の規制に関する措置を講ずる
  3. 医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずる

医薬品医療機器等法は、上記1~3をもって、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

医薬品関係者等の責務

医薬品等関連事業者等の責務(法第1条の4)

医薬品等の製造販売、製造(小分けを含む。以下同じ。)、販売、貸与若しくは修理を業として行う者、第4条第1項の許可を受けた者(以下「薬局開設者」という。)又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設(略)の開設者は、その相互間の情報交換を行うことその他の必要な措置を講ずることにより、医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止に努めなければならない

医薬関係者の責務(法第1条の5第1項)

医師、歯科医師、薬剤師、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品等の有効性及び安全性その他これらの適正な使用に関する知識と理解を深めるとともに、これらの使用の対象者(略)及びこれらを購入し、又は譲り受けようとする者に対し、これらの適正な使用に関する事項に関する正確かつ適切な情報の提供努めなければならない

登録販売者

登録販売者は、購入者等に対して正確かつ適切な情報提供が行えるよう、日々最新の情報の入手自らの研鑽に努める必要がある。このため、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関
する法律施行規則に基づき、薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、その薬局、店舗又は区域において業務に従事する登録販売者に対し、厚生労働省大臣に届出を行った者(研修実施機関)が行う研修を毎年度受講させなければならない

国民の役割(法第1条の6)

国民は、医薬品等を適正に使用するとともに、これらの有効性及び安全性に関する知識と理解を深めるよう努めなければならない

医薬品の分類・取扱い等

医薬品の定義

医薬品の定義と範囲

法第2条第1項

この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。

一  日本薬局方に収められている物
二  人又は動物の疾病の診断治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。)及びこれを記録した記録媒体をいう。)でないもの医薬部外品及び再生医療等製品除く。)
三  人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品化粧品及び再生医療等製品除く。)」

「法第2条第1項」における用語解説
(第1号)日本薬局方(日局)

厚生労働大臣が医薬品の性状及び品質の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、保健医療上重要な医薬品(有効性及び安全性に優れ、医療上の必要性が高く、国内外で広く使用されているもの)について、必要な規格・基準及び標準的試験法等定めたものである。日局に収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されている、又は一般用医薬品の中に配合されているものも少なくない

(第2号)医薬品

疾病の診断治療又は予防に使用されることを目的とするものであり、社会通念上いわゆる医薬品と認識される物の多くがこれに該当する。これには検査薬や殺虫剤、器具用消毒薬のように、人の身体に直接使用されない医薬品も含まれる

(第3号)医薬品

人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物のうち、第1号及び第2号に規定されているもの以外のものが含まれる。これに該当するものとしては、「やせ薬」を標榜ぼうしたもの等、「無承認無許可医薬品」が含まれる。

医薬品・医薬部外品・化粧品の許可・承認・届出

  • 医薬品医薬部外品又は化粧品は、厚生労働大臣により「製造業」の許可を受けた者でなければ製造をしてはならない(法第13条第1項)
  • 医薬品医薬部外品又は化粧品は、厚生労働大臣により「製造販売業」の許可を受けた者でなければ製造販売をしてはならない(法第12条第1項)
  • 医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除く。)、医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)又は厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。(法第14条)
    (注)厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品医薬部外品については、当該基準への適合認証をもって承認を要さない。
  • 外国製造医薬品等の製造販売の承認につき法19条の2
  • 医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売業者は、第14条第1項に規定する医薬品、医薬部外品及び化粧品以外の医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売をしようとするときは、あらかじめ、品目ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。(法第14条の9)
  • 薬局開設者又は医薬品の販売業許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。)してはならない。(法24条第1項)

不良医薬品

  • 不正表示医薬品(法第50から54条違反)は販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列してはならない。(第55条第1項)
  • 摸造に係る医薬品及び以下に掲げる不良医薬品は、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で製造し、輸入し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。(法第55条の2及び第56条)
  • 日本薬局方に収められている医薬品であって、その性状、品質が日本薬局方で定める基準に適合しないもの
  • 基準が定められた体外診断用医薬品であって、その性状、品質又は性能がその基準に適合しないもの
  • 認証を受けた体外診断用医薬品であって、その成分若しくは分量又は性状、品質若しくは性能がその承認又は認証の内容と異なるもの
  • 厚生労働大臣が基準を定めて指定した医薬品であって、その成分若しくは分量(成分が不明のものにあっては、その本質又は製造方法)又は性状又は品質若しくは性能がその基準に適合しないもの
  • 基準が定められた医薬品であって、その基準に適合しないもの
  • その全部又は一部が不潔な物質又は変質若しくは変敗した物質から成っている医薬品
  • 異物が混入し、又は付着している医薬品
  • 病原微生物その他疾病の原因となるものにより汚染され、又は汚染されているおそれがある医薬品
  • 着色のみを目的として、厚生労働省令で定めるタール色素以外のタール色素が使用されている医薬品

以下に該当する医薬品も、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で製造し、輸入し、若しくは陳列してはならない。(法第57条)

  • 医薬品は、その全部若しくは一部が有毒若しくは有害な物質からなっているためにその医薬品を保健衛生上危険なものにするおそれがある物とともに収められている。
  • 医薬品は、その全部若しくは一部が有毒若しくは有害な物質からなっているためにその医薬品を保健衛生上危険なものにするおそれがある容器若しくは被包(内包を含む。)に収められている
  • 医薬品の容器又は被包は、その医薬品の使用方法を誤らせやすい

これらの規定については、製造販売元の製薬企業、製造業者のみならず、薬局及び医薬品の販売業においても適用される。

参考

  • 改訂版 この1冊で合格! 石川達也の登録販売者 テキスト&問題集 (KADOKAWA)
  • 登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)

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