【情報セキュリティマネジメント試験対策】(30)情報セキュリティ対策(1)「人的セキュリティ対策」

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IT系

前回までは、情報セキュリティポリシーを構成する3階層(情報セキュリティ基本方針・情報セキュリティ対策基準・情報セキュリティ対策実施手順)について確認してきた。ポリシーは組織が「何を」「どこまで」守るかを定めるものであるが、それを実際に機能させるためには、具体的な対策へと落とし込む必要がある。今回からは、その具体策を「人的」「物理的」「技術的」の3分類に整理し、まずは人的セキュリティ対策を取り上げる。

情報セキュリティ対策の三分類

情報セキュリティ対策は、一般に次の3つに分類される。

  • 人的セキュリティ対策:組織に属する人(従業者・委託先を含む)の意識や行動に働きかける対策
  • 物理的セキュリティ対策:施設・設備・機器など、物理的な環境を守る対策
  • 技術的セキュリティ対策:システムやネットワークに対して技術的な仕組みで守る対策

情報セキュリティ事故の多くは、技術的な欠陥だけでなく、人の不注意や誤操作、あるいは悪意ある内部者によって引き起こされる。そのため、人的対策は技術的対策と並んで重要な位置を占めており、試験でも頻出のテーマである。

人的セキュリティ対策とは

人的セキュリティ対策とは、従業者や委託先の要員が情報資産を適切に取り扱うよう、教育・契約・ルールの整備を通じて働きかける対策全般を指す。技術的な仕組みでは防ぎきれない「人が原因となるリスク」への対応が主眼となる。

代表的な人的セキュリティ対策には、以下のようなものがある。

1. 情報セキュリティ教育・訓練

従業者に対して、情報セキュリティポリシーの内容や、標的型攻撃メール・パスワード管理などの基本的な脅威と対処法を周知するための教育である。新入社員研修だけでなく、全従業者を対象とした定期的な教育(年1回程度)が推奨される。教育効果を高めるためには、一方的な講義形式だけでなく、標的型攻撃メール訓練のような実践的な演習を組み合わせることが有効とされる。

2. 雇用契約における秘密保持

従業者の採用時には、秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)を締結し、業務上知り得た情報を目的外に利用・開示しないことを取り決める。これは在職中だけでなく、退職後も一定期間効力が及ぶよう定めるのが一般的である。委託先に業務を委託する場合も同様に、委託契約に秘密保持条項を盛り込む必要がある。

3. 罰則規定の整備

情報セキュリティポリシーに違反した場合の懲戒規定を就業規則等に明記しておくことで、違反行為に対する抑止力とする。罰則があること自体を周知することも、教育の一環として重要である。

4. 職務分掌・権限の分離

一人の担当者に権限が集中すると、不正やミスが発見されにくくなる。重要な業務については、実行者と承認者を分ける、あるいは複数人でのチェック体制を敷くなど、職務分掌によって不正や誤りを牽制する仕組みが求められる。

5. ヒューマンエラー対策

人的セキュリティ対策には、悪意への対処だけでなく、単純な誤操作(メールの誤送信、USBメモリの紛失など)を減らすための工夫も含まれる。ダブルチェックの徹底、確認画面の表示、送信前の一時保留設定など、運用上のルール化が有効である。

試験対策ポイント

試験では、人的セキュリティ対策について、次のような観点で問われることが多い。

  • 人的・物理的・技術的の3分類のうち、設問の対策がどれに該当するかを判断させる問題
  • 「秘密保持契約は退職後にも効力が及ぶ」など、契約内容の適用範囲を問う問題
  • 教育・訓練の目的や実施方法(標的型攻撃メール訓練など)に関する知識を問う問題
  • ヒューマンエラーを技術的対策ではなく運用ルールで防ぐ、という発想を問う問題

特に、技術的な仕組みで解決できそうに見える事例が、実は人的対策(教育やルール整備)によって防ぐべき問題として出題されることがあるため、「原因が人にあるか、システムにあるか」を意識して分類する練習をしておくとよい。

まとめ

今回は、情報セキュリティ対策の3分類のうち「人的セキュリティ対策」を取り上げ、教育・訓練、秘密保持契約、罰則規定、職務分掌、ヒューマンエラー対策といった具体例を確認した。次回は、施設や機器そのものを守る「物理的セキュリティ対策」について取り上げる。

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