民法を学ぼう!「不動産登記(3)登記請求権」

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民法 司法・法務

登記は、不動産登記法の手順にかなっていること(形式的要件)と、実体的な権利変動に合致していること(実質的要件)が必要である。

登記が存在していても、その登記が無効であるときは、登記の効力は認められず、その登記は抹消又は変更されなければならない。

(申請の却下)
第25条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。
 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。
 申請に係る登記が既に登記されているとき。
 申請の権限を有しない者の申請によるとき。
 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。
 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。
 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。
 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。
 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。
 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。
十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。
十二 登録免許税を納付しないとき。
十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。
不動産登記法

形式的要件に関しては、次のような問題がある。

登記請求権

意義

登記請求権とは、登記義務者が登記申請に協力しない場合に、登記権利者がその協力を求めることができる権利である。

根拠

物権的登記請求権

実質的に物権が存在しないか、物権変動が生じていないにもかかわらず、登記が存在する場合、実体的権利関係と登記の間に生じている不一致を除去するために認められる請求権をいう。

(例)A→B→Cと所有権移転登記がされている場合、真の権利者であるAが、Cに対して行う真正な登記名義の回復を登記原因とする所有権移転登記請求

物権変動的登記請求権

実質的には物権変動があったにもかかわらず、登記が伴っていない場合、当該物権変動の事実そのものから、当然に当事者間に発生する請求権をいう。

物権変動の過程は正確に記録すべきという登記上の要請(如実主義)から基礎づけられる。

(例)Aから目的不動産を譲り受けたBが、目的不動産をCに転売した場合のBのAに対する所有権移転登記請求

債権的登記請求権

当事者間の契約ないし特約によって生じる請求権をいう。

(例)売買契約に基づく買主から売主に対する登記請求

なお、上記3つの登記請求権について、各々の要件が満たされれば、いずれも併存的に成立し、権利行使者は選択的に行使できる。(併存説)

参考)C-Book 民法II〈物権〉 改訂新版 東京リーガルマインド

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