登録販売者試験まとめノート⑤「人体の構造と働き(循環器系)」

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心臓 登録販売者

今回は、循環器系の構造とその働きをまとめてみました。

循環器系

循環の種類

血管系が心臓を中心とする閉じた管(閉鎖循環系)であるのに対して、リンパ系は末端がリンパ毛細管となって組織の中に開いている開放循環系である。

心臓

心筋でできた握りこぶし大の袋状の臓器で、胸骨の後方に位置する。血液は心臓がポンプ の役目を果たすことによって循環している。
心臓の内部は上部左右心房下部左右心室の4つの空洞に分かれている。
心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。でのガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出される。

血管系(動脈、静脈、毛細血管)

血液が血管中を流れる方向は一定しており、心臓から拍出された血液を送る血管を動脈心臓へ戻る血液を送る血管静脈という。いずれも血管壁が収縮すると血管は細くなり、弛緩すると拡張し、心拍数と同様に自律神経系によって制御される。

動脈(心臓から拍出された血液を送る血管)

動脈は弾力性があり、圧力がかかっても耐えられるようになっている。動脈の多くは体の深部を通っているが、頚部、手首、肘の内側等では皮膚表面近くを通るため、心拍に合わせて脈がふれる。血管壁にかかる圧力(血圧)は、通常、上腕部の動脈で測定される。

心臓が収縮したときの血圧を最大血圧、心臓が弛緩したときの血圧(心臓には圧がかからなくても、血管には血管壁の持つ弾力のためある程度の圧がある)を最小血圧という。

静脈(心臓へ戻る血液を送る血管)

静脈は皮膚表面近くを通っている部分が多く、皮膚の上から透けて見える。静脈にかかる圧力は比較的低いため、血管壁は動脈よりも薄い。四肢を通る静脈では血流が重力の影響を受けやすいため、一定の間隔で存在する内腔に向かう薄い帆状のひだ(静脈弁)が発達しており、血液の逆流を防いでいる

毛細血管

毛細血管は、動脈と静脈の間をつなぐように体中の組織に細かく張り巡らされている細い血管である。

毛細血管の薄い血管壁を通して、酸素と栄養分が血液中から組織へ運び込まれ、それと交換に二酸化炭素や老廃物が組織から血液中へ取り込まれる。

血液

血液は、血漿(しょう)と血球からなり、以下の役割がある。

  • 酸素や栄養分を全身の組織に供給
  • 二酸化炭素や老廃物を腎臓へ運ぶ
  • ホルモンの運搬によって体内各所の器官・組織相互の連絡を図る
  • 全身の温度をある程度均等に保つ
血液成分の分類

血漿

90%以上が水分からなり、アルブミングロブリン等のタンパク質のほか、微量の脂質、糖質、電解質を含む。

  • アルブミンは、血液の浸透圧を保持する(血漿成分が血管から組織中に漏れ出るのを防ぐ)働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。
  • グロブリンは、その多くが、免疫反応において、体内に侵入した細菌やウイルス等の異物を特異的に認識する抗体としての役割を担うため、そういったものは免疫グロブリンとも呼ばれる。
  • 脂質(中性脂肪、コレステロール等)は、血漿中のタンパク質と結合してリポタンパク質を形成し、血漿中に分散している。なお、血液の粘稠(ちゅう)性は、主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。

血球(赤血球、白血球、血小板)

赤血球】 中央部がくぼんだ円盤状の細胞で、血液全体の約40%を占め、赤い血色素(ヘモグロビン)を含む。

ヘモグロビンは鉄分と結合したタンパク質で、酸素量の多いところ(肺胞の毛細血管) で酸素分子と結合し、酸素が少なく二酸化炭素が多いところ(末梢組織の毛細血管)で 酸素分子を放出する性質がある。
赤血球は骨髄で産生されるが、赤血球の数が少なすぎたり、赤血球中のヘモグロビン 量が欠乏すると、血液は酸素を十分に供給できず、疲労や血色不良などの貧血症状が現れる。

白血球】 体内に侵入した細菌やウイルス等の異物に対する防御を受け持つ細胞である。 形態や機能等の違いにより、数種類に細分類される。

  • 好中球は、最も数が多く、白血球の約60%を占めている。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。
  • リンパ球は、白血球の約1/3を占め、血液のほかリンパ液にも分布して循環している。リンパ節、脾臓等のリンパ組織で増殖し、細菌、ウイルス等の異物を認識したり(T細胞リンパ球)、それらに対する抗体(免疫グロブリン)を産生する(B細胞リンパ球)。
  • 単球は、白血球の約5%と少ないが最も大きく、強い食作用を持つ。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、組織の中ではマクロファージ(貪食細胞)と呼ばれる。

血小板】 血管が破れたり切れたりすると、血液が血管外に漏れ出す。血管だけでなく皮膚まで傷ついて血液が体の外に流れ出す出血(外出血)に対し、血液が組織の隙間や器官の内部に流れ込むことを内出血という。生体には損傷した血管からの血液の流出を抑える仕組みが備わっており、血小板がその仕組みにおいて重要な役割を担っている。

損傷した血管は、血管壁が収縮することで血流を減少させ、大量の血液が流出するのを防ぐ。同時に、損傷部位に血小板が粘着、凝集して傷口を覆う。このとき血小板から放出される酵素によって血液を凝固させる一連の反応が起こり、血漿タンパク質の一種であるフィブリノゲンが傷口で重合して線維状フィブリンとなる。フィブリン線維に赤血球や血小板などが絡まり合い、血の凝固物(血餅)となって傷口をふさぎ、止血がなされる。

脾臓(ひぞう)

握りこぶし大のスポンジ状臓器で、胃の後方の左上腹部に位置する。主な働きは、脾臓内を流れる血液から古くなった赤血球を濾(こ)し取って処理することである。

リンパ系(リンパ液、リンパ管、リンパ節)

リンパ液が循環するリンパ系は、血管系とは半ば独立した循環系として存在する。リンパ系には心臓のようにポンプの働きをする器官がなく、リンパ液の流れは主に骨格筋の収縮によるものであり、流速は血流に比べて緩やかである。

  • リンパ液は、血漿の一部が毛細血管から組織の中へ滲(にじ)み出て組織液(組織中の細胞と細胞の間に存在する体液)となったもので、血漿とほとんど同じ成分からなるが、タンパク質が少なく、リンパ球を含む。
  • リンパ管には逆流防止のためのがあって、リンパ液は一定の方向に流れている。
  • リンパ節の内部にはリンパ球やマクロファージ(貪食細胞)が密集していて、リンパ液で運ばれてきた細菌やウイルス等は、ここで免疫反応によって排除される。

参考)改訂版 この1冊で合格! 石川達也の登録販売者 テキスト&問題集 (KADOKAWA)、
 登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)

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