民法を学ぼう!「 占有権(16)本権にかかわる効力(3)」

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司法・法務

取得時効の要件としての占有(2)

Aの土地をBが占有している。Bの取得時効完成を阻止しようとするAは、どのようなことを主張・立証しなければならないのか。取得時効の要件が満たされなければよいので、Aは以下のいずれかを主張・立証すればよい。 

所有の意思がないこと 

Bが賃借人であるなど、他主占有者であれば、所有の意思はない。なお、賃借権などの他主占有権原が証明できない場合でも、他主占有事情を証明すればよい (最判昭和58・3・24民集37巻2号131頁)。他主占有事情とは、外形的、客観的にみて、占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかったものと考えられる事情である。 これは、所有権移転登記をしなかったなど、 真の所有者であれば通常とらない態度を示したことや、固定資産税を負担しなかったなど、 所有者であれば当然とるべき行動にでなかったことである。 とはいえ、これらが常に他主占有事情となるわけではないので(最判平成 7・12・15民集49巻10号3088頁)、個別具体的に判断するしかない。

占有が平穏でないこと 

Bが暴行・強迫などの行為を用いていた場合、平穏な占有ではない。なお、BがAから返還・明渡請求を受けただけでは、平穏な占有であることに変わりはない(最判昭和41・4・15民集20巻4号676頁)。 

占有が公然でないこと

 隠匿していることである。 不動産についてはあまり考えられないが、動産については隠匿がありうる。

占有が継続していなかったこと

占有者が占有を中断していたり、他人に占有を奪われていたりすると、占有が継続していなかったことになる(164条)。

なお、Bの占有期間が20年未満であるときは、①~④以外に、⑤Bの占有が善意無過失で開始されなかったことを主張・立証してもよい。

(占有の中止等による取得時効の中断)
第164条 第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。
(民法・e-GOV法令検索)

(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社

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