民法トピックス「抵当権またはその順位の譲渡・放棄」

スポンサーリンク
抵当権 不動産

本稿では、民法の各分野のうち、各種資格試験の頻出テーマについて取り上げる。

今回は、「担保物権」から「抵当権またはその順位の譲渡・放棄」である。

抵当権またはその順位の譲渡・放棄の意義

抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。(民法376条1項)

「譲渡」とは、抵当権者の有する優先弁済権を取得させることであり、「放棄」とは、優先弁済権を主張しないこと(相対的放棄)である。

「抵当権の譲渡・放棄」は、一般債権者に対して行われ、「抵当権の順位の譲渡・放棄」は、後順位抵当権者に対して行われる。

出題例(抵当権の順位の放棄)

【問 10】 債務者Aが所有する甲土地には、債権者Bが一番抵当権(債権額1,000 万円)、債権者Cが二番抵当権(債権額1,200 万円)、債権者Dが三番抵当権(債権額2,000 万円)をそれぞれ有しているが、BがDの利益のため、Aの承諾を得て抵当権の順位を放棄した。甲土地の競売に基づく売却代金が2,400 万円であった場合、Bの受ける配当額として、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1  0 円
2  200 万円
3  400 万円
4  800 万円

令和5年度 宅地建物取引士資格試験 (令和5年10月15日)

正解:3

BがDに対して抵当権の順位を放棄していた場合、Bの優先弁済権をDとの関係でのみ主張しない結果、甲土地からBが配当を受けるはずだった1,000万円とDが配当を受けるはずだった200万円の合計額1,200万円が、BとDの債権額に応じて按分される。

売却代金:2,400 万円
(順位の放棄がない場合)原則的配当額
B 1,000万円
D  200万円

(BがDに順位の放棄)→債権額の割合で配当
B=1,200万円×$\frac{1,000万円}{1,000万円+2,000万円}$=400万円
D=1,200万円×$\frac{2,000万円}{1,000万円+2,000万円}$=800万円

なお、Bの抵当権の順位の放棄は、Cには何ら影響を与えない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました