管理業務主任者まとめノート(6)「区分所有法(建替え)」

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建替え 不動産

本稿では、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」と称する。

本稿は、「管理業務主任者試験」の出題範囲のうち、区分所有法の頻出論点をまとめたものである。

建替え

建替え決議

決議要件

集会においては、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地新たに建物を建築する旨の決議(建替え決議)をすることができる。(区分所有法62条1項)

元の敷地と少なくとも一部は重なる土地のこと。なお、使用目的の同一性は求められていない。

なお、建替え決議は、要件を満たせば、区分所有建物が滅失していなくても小規模滅失大規模滅失の場合でもすることができる
ただ、区分所有建物が全部滅失した場合、区分所有法の適用がなくなり、建替え決議をすることはできない。

決議事項(62条2項)

  1. 新たに建築する建物(再建建物)の設計の概要
  2. 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
  3. 前号に規定する費用の分担に関する事項
  4. 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項

建替え決議のための集会招集の手続(62条4項)

建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、当該集会の会日より少なくとも2か月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約伸長することができる。

→ 短縮することはできない。

集会の招集通知における通知事項(62条5項)

建替え決議の集会の招集通知をするときは、議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。

  1. 建替えを必要とする理由
  2. 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
  3. 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
  4. 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額

説明会の開催(62条6項・7項)

建替え決議にかかる集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも1ヶ月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会開催しなければならない。

なお、説明会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
また、集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。

議事録の記載事項(62条8項)

建替え決議をした集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。

区分所有権等の売渡請求等(63条)

建替え参加の催告(63条1項~4項)

建替え決議があったときは、集会を招集した者は、遅滞なく、建替え決議に賛成しなかつた区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。

なお、書面による催告に代えて、催告を受けるべき区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を催告することができる。

そして、催告を受けた区分所有者は、催告を受けた日から2か月以内回答しなければならない。
この期間内に回答しなかった場合は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなされる

区分所有権等の売渡請求権(63条条5項)

建替え決議に賛成した各区分所有者若しくは建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により区分所有権及び敷地利用権を買い受けることができる者として指定された者(買受指定者)は、建替え参加の催告の日から2か月期間が満了した日から2か月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含む。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。

なお、建替え決議があった後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、時価で売り渡すべきことを請求することができる。

建物の明渡しに関する期限の許与(63条6項)

売渡請求があった場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から1年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。

再売渡請求(63条7項・8項)

建替え決議の日から2年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、売渡請求を受けて区分所有権又は敷地利用権を売り渡した者は、この期間の満了の日から6か月以内に、買主が支払った代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。(再売渡請求)

ただし、建物の取壊しの工事に着手しなかったことにつき正当な理由があるときは、再売渡請求は認められない。

また、建物の取壊しの工事に着手しなかったことにつき正当な理由がある場合において、建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなった日から6か月以内にその着手をしない場合、建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなったことを知った日から6か月以内又はその理由がなくなった日から2年のいずれか早い時期までであれば、再売渡請求をすることができる。

(参考)
らくらくわかる! マンション管理士 速習テキスト 2023年度(TAC出版)

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