民法を読もう「国家試験受験のためのよくわかる民法(第10版)」

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本ブログでは、テーマのひとつとして、多くの資格試験で出題されることが多い民法を取り上げている。様々なアプローチがあるが、「民法の基本書」を読み込むことは基本のひとつであろう。
これまでに本ブログでも紹介している。

ただし、基本書といえども大部である場合がほとんどである。余談だが、本ブログでも各書の総則編のご紹介にとどまっている。
理由は、民法の構成にある。
民法は、
・第1編「総則」
・第2編「物権」
・第3編「債権」
・第4編「親族」
・第5編「相続」
にわかれており、扱う分野が「財産法(総則、物権、債権)」から「家族法(親族、相続)」までと幅広い。
基本書については、今後とも随時ご紹介していく予定である。
ただし、今回は、資格試験向けのコンパクトなテキストをご紹介しよう。

国家試験受験のためのよくわかる民法(第10版)神余博史著(自由国民社)以下本書という」である。

国家試験受験のためのよくわかる民法(第10版) 

本書の特徴は以下の通りである。

民法が苦手な人・民法を初めて学習する人のために、わかりやすく解説した受験参考書です。公務員試験や行政書士、宅建、司法書士、不動産鑑定士等の国家試験の受験に最適です。また、大学の授業の副読本として、さらに民法の教養書としても使えます。具体的設例を通して、民法理論を徹底的にわかりやすく解説しているので、初学者や「民法で行き詰まっている」方が、肩がこらずに読め、十分に実力を付けることができます。
 
第10版は、所有者不明土地問題に対処するための物権法および相続法の令和3年度改正,嫡出推定の見直しを中心とする令和4年度の親族法の改正に対応しています。

<本書の特色>
 
●問題が解けるレベルの実力が短期間で身に付く。
●2色刷りで重要ポイントが的確に把握できる。
●司法書士試験、行政書士試験に出題された過去問および練習問題を収録。
●用語索引付き

自由国民社の本書の紹介ページ

総ページ数592ページに民法の第1編から5編までをギュッと詰め込んである。
理由は、本書の記述は、民法の体系的な配列にこだわっていないのである。

民法典は、パンデクテン方式と呼ばれる方式で条文が構成されている。パンデクテン方式では「共通のルールを前に出す」という整理の仕方であり、第1編の総則ほど共通部分が多い。したがって、総則の知識はとても大切だが、実際にそれを使うのは、総則より先の各編となるのである。したがって総則は概念的な説明となりがちで、一読しただけでは理解は難しい。

本書の財産法の記述の順序は、民法典の構成とかなり異なっている。民法典の配列に従って解説するより、民法の規定がどのような場面でどのように働くのかといった視点を軸に解説する方が理解しやすいと著者の神余先生は考えられている。

そして、論点相互の関係を関連づけて理解できるよう、記述の置き方やその配列に工夫を凝らしてある。

民法がわかる」ようになるためには、民法典の構成通りに学習を進める必要はないという考えには筆者も同感である。ただし、それは民法典の構成を理解した上でのことであるべきである。
そのことを念頭に本書を読み込めばかなりの実力が養われることだろう。
本書を読み進めるにあたっては、常に民法の条文を参照することをお勧めしたい。

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