民法を学ぼう!「所有権(10)所有権の取得(2)」

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司法・法務

 無主物の帰属・家畜外動物の取得遺失物の拾得・埋蔵物の発見(2)

家畜以外の動物の取得

シカやキジなどの野生動物は、無主の動産であるため、所有の意思をもって占有したAが、その所有権を取得できる。(ただし、これらは鳥獣保護管理法の対象動物であり、許可なく捕獲すると違法となる。)これに対して、Bの飼育する動物が逃げ出し、Aがこれを捕まえて飼育している場合、A は動物の所有権を取得できるのか。 動物が、その地方で飼育されて生活するのが普通である動物 (家畜)か、家畜以外の動物かによって取扱いが異なる。

 家畜の場合

Aが首輪の付いた猫 (Bの飼い猫)を拾った。Aが遺失物法の要件を満たした場合、猫の所有権を取得できる。首輪のついた犬猫などのほか、野生で日本に生息していない九官鳥などは家畜であり、遺失物に準じて取り扱われる(遺失2条1項)。

(定義)
第二条 この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。
2 この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。
3 この法律において「拾得者」とは、物件の拾得をした者をいう。
4 この法律において「遺失者」とは、物件の占有をしていた者(他に所有者その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいう。
5 この法律において「施設」とは、建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいう。
6 この法律において「施設占有者」とは、施設の占有者をいう。
(遺失物法・e-GOV法令検索)

家畜以外の動物の場合

これに対して、山間部に住むAが、飼育者Bのところから逃げ出したイノシシを野生動物だと考え捕獲し、1か月以上飼育した場合、 Aはその所有権を取得できる。家畜以外の動物については、その動物を占有するAが占有の開始の時に善意であり、かつ、動物がBの占有を離れた時から1か月以内に回復の請求を受けなかったとき、Aは、その動物について行使する権利を取得する(195条)。

(動物の占有による権利の取得)
第百九十五条 家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。
(民法・e-GOV法令検索)

この規定は、無主物の帰属と遺失物の拾得の中間的な扱いを定めている。所有者Bの利益に配慮しつつ、家畜以外の動物であることから無主物であると考えた占有者Aの保護を目的としている。

(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社


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