民法を学ぼう!「所有権(1)」

スポンサーリンク
司法・法務

所有権は、物権、さらにいえば私法上の権利の中で、もっとも基本的な権利である。所有権とはどのような内容の権利か(206条・207条)、土地所有権の特殊性は何か(209条~238条)、所有権はどのように取得されるのか(239条~248条)、複数人が1つの物を共同で所有する場合はどのような関係となるのか (249条~264条)、所有者が不明である土地等にどのように対応するのか (264条の2~264条の14)などが問題となる。

所有権とは

近代的所有権の成り立ち

封建的所有権

近代以前の封建社会においては、所有権の内容は不明確であった。土地に着目すると、封建社会では、領主が領有権(上級所有権)を有し、農民は土地の 保有耕作権(下級所有権) を有していた。 これらの上級所有権・下級所有権には、土地に対する権利にとどまらない権利義務関係が含まれていた。たとえば、領有権を有する領主は、農民に賦役を課す (労働をさせる)ことができた。

また、農民は、土地を移動したり、結婚・相続をしたりする場合に、領主の許可を得る必要があった。いわば、身分関係の上下が、そのまま、土地の上級所有権・下級所有権という形であらわれていた。

近代的所有権

フランス革命をはじめとする近代市民革命は、自由・平等というスローガンの下、身分関係を消滅させること(封建主義の打破)を目指した。 これにより、権利能力平等の原則が生み出された。それと同時に、身分関係を反映した上級所有権・下級所有権についても、新たに構成をし直す必要が生じた。そこで、身分的な関係などの人的要素が取り除かれ、所有権は単純に物に対する権利であると再構成されることになった。このようにして生まれたのが、近代的所有権である。

近代的所有権の特徴として指摘されるのは、所有権の自由所有権絶対の原則である。もっとも、所有権の自由というと、所有物に対しては何をしても自由であるかのように聞こえる。また、所有権絶対の原則というと、所有権は絶対であり、完全無欠な権利であるかのようにも思える。 しかし、あくまで封建的拘束の否定を意味するに過ぎない。

(参考)物権法[第3版] NBS (日評ベーシック・シリーズ) 日本評論社

コメント

タイトルとURLをコピーしました